\妊娠・出産・産後のメンタルヘルス支援シンポジウムに参加してきました/

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『産後うつ』って、知っていますか?

 この度、2024年9月29日(日)famitasuさん主催の「妊娠・出産・産後のメンタルヘルス支援シンポジウム2024」に参加してきました。

 皆さんは「産後うつ」という言葉をご存知でしょうか?
産後うつとは、”メンタルヘルスが不調な状態”、”こころがしんどいこと”を指します。

 経産婦さんの中でも、「なんでこんなに大変なんだろう?」「他のママは元気なのに、私って弱いのかな・・・」「誰に相談したらいいの?」「もっと大変な人もいるのに、甘えられない・・・」
こんな気持ちになって、苦しい思いをしたママさんもいらっしゃることでしょう。

産後うつの3大リスクとして知られるものには、

  • 社会的支援の不足
  • 精神疾患の既往
  • 死産の経験など精神的に大きな負荷のかかるライフイベント
    があります。

この他にも、夫との関係、家族関係、親族関係、義父との関係、経済状況、父親の育休取得状況、産後の支援体制などが要因として挙げられます。さらに、

  • 統合失調症、うつ病、パニック発作の既往、学生時代の摂食障害、思春期の発達障害の診断
  • 死産(自然死産、人工死産、流産)、兄弟姉妹の死、両親の病気
    なども関連しています。

このシンポジウムでは、そんなママたちを支援するために
✔️ 支援側の連携促進
✔️ 必要な人がすぐに必要なサービスにアクセスできる環境整備
✔️ 産後うつの発症率の減少
これらの政策提言と運営体制の構築を目指して開催されました。

私も医療従事者の一人として、支援側の連携促進に少しでも貢献できるよう、今後も学びを続けて努力していきたいと思います。

信州大学医学部の村上寛先生による基調講演『周産期のこころの医学講座』

 先生のお話は、『産後うつ』と『切れ目のない支援の実現』について非常に貴重な内容でした。先生の考えをさらに深めたい方は、こちらの書籍を参考にしてみてはいかがでしょうか?

「妊娠、そして出産は、漠然と「幸せなこと」というイメージがあります。もちろんそれはとても大切なイメージです。しかしすべての妊産婦さんが、なんの屈託もなく幸せだと思うことができているわけではありません。そして幸せだと思えるからといって、つらさがないわけではありません。大切なことは妊産婦さんそれぞれの「本当の気持ち」に寄り添うことであり、「妊娠や出産は幸せなもの」というイメージを押し付けることではないのです――」(本文より)